第4章:管財人との仕事(3)

管財人と何度かお会いするごとに、管財人の眼が変わってきました。立場がら当然ですが、最初は犯罪者を見る検事のような眼、こちらが勝手にそう感じていただけかも知れませんが、そう思いました。それが少しずつ、優しさを感じる眼になっていきました。

 

信頼関係のようなもの、少しずつですが手ごたえを感じました。

 

自宅の売却に関しては、借地ということでまず地主との交渉が第一関門と説明を受けました。路線価の借地権価格としては約700万、売却には地主の承諾が必要でこればかりは法律云々ではなく、承諾がなければ売却はできず、管財人が直接交渉を行っていました。

 

会社と私個人宛ての郵便物はすべて一度管財人の方に届き、管財人がチェックをしてから私の方に送られてきました。これは隠し口座がないかとか、特定の債権者だけに弁済をしていないかとか、申立書に矛盾する行動をしていないかとか、そういった事を確認するためのものでした。

 

話がそれますが、家族のこと、家内は引き続き親戚宅にいてもらう事にしました。

理由は、この騒動以降家内は体調を崩していました。あわせて更年期障害、今は離れている方が適切と思いました。

子供達にも今の事態を伝えました。2人ともすでに社会人として自立していましたので、「特に心配はするな、お前たちには迷惑はかけないから」とだけ話しました。

正直今回の事で、家族の中にも距離ができ始めていると感じていました。

これが破産の現実、仕方ないこと、当然のこと・・・そう思いました。

 

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そして忙しく日々が過ぎ、第1回目の債権者集会が近づいてきました。