第6章:破産者の生活(1)

第1回の債権者集会が終わった頃、その頃の私の生活は、とにかく毎日仕事をしていました。仕事といってもアルバイト、清掃事務所とファーストフード店のデリバリーライダー、1日休みの日は月に2日くらい、その年の12月は月間で288時間仕事をし、手取りで35万を超えました。

何より生活に余裕を持たせたかった事と、破産申し立て時に手元に残した60万円について集会後管財人から、「半分の30万は裁判所から否認される可能性が高いので、次回債権者集会までに財団に返納してほしい」と指示を受けていたためです。これは予測していた事なので仕方ありません。60万全額でなかったので、よかったと思わなければいけません。それともう1つ、自宅の売却先が決まると、当然転居先を見つけて引越しをしなければいけません。その際の引越し費用、これについてはケースバイケースで、財産からある程度費用を見てもらえる場合もあるようなのですが、出ない場合もあり、とにかく現金を増やしておく必要がありました。

 

生活費を切り詰めるため、食事はすべて自炊で賄い、昼食も弁当を持っていきました。

 

しかし不思議と辛さは感じませんでした。新しい仕事を覚える事や、人との出会い、そんな新しい日常がとても新鮮であったからだ

f:id:kuutiti:20201003004322j:plain


と思います。

 

これからの人生をどう過ごそうか、そんな事を考えながら、毎夜眠りについていました。