第1章:倒産までの状況(7)
今のこの状況は、家族はもとより、会社関係の誰にも話をしていませんでした。経理の社員だけは、私の異変に多少なりとも気づいていたのかも知れませんが、ただただ、ひたすら、私は一人で考えていました。そして見えた1つの最良と思える方法・・・
私は個人と会社とに別々で、生命保険に加入していました。死亡時の保険金額は、個人が3000万、会社が2000万、そして住宅ローンの団体生命保険には死亡時の特約として返済の免除が記載されていました。
その時見えた最良と思える方法、それは、自殺することでした
。
家族には当座の生活資金が入り、住宅ローンはなくなり家は守れる。
会社は、それでもそれなりにスタッフが育ち得意先からの信頼もまだまだある。2000万の資金があれば、残ったスタッフで存続と立て直しをきっとしてくれる。そんな考えが頭に浮かび、日を追うごとに、これがきっと最良の方法と、
考えるようになっていきました。