第3章:仕事探し(2)

面接はスーツを着ていきました。今までの面接もすべてそうです。履歴書の職歴には、「会社を倒産させて自己破産手続き中の元経営者」とは書けませんので、前職は廃業と書き、そのため新たな仕事を探していることにしていました。

 

面接をして下さった採用担当の方、歳は見る限り同年代、他の面接でもそうでしたが、長年面接をする事はあってもされる事はありません。自分の会社に入社した時が最後の面接経験です。また社長という立ち位置にいると、周りは常に気を遣ってくれていて、何だか自分は偉い人?、と勘違いをするようになり、周りに対する態度や物言いが偉そうになる。恥ずかしい話ですが少なからず私もそういう立ち振る舞いが身についてしまっていました。「そういう態度にだけはならないように」自分に言い聞かせていました。

私の経歴などにはあまり触れず、どのような仕事をするのか、体力的にどのくらい大変かなどを丁寧に説明してくれました。私は、やらせてほしいという気持ちと、体力には自信があるという事だけを必死に伝えました。

 

廃業をしてこの先の生活に困っている・・・という心情も汲んでくれたのだと思います。結果は、

やってみて無理だったらすぐに相談する。

とりあえず9月いっぱいの契約で、その後の事は追々また打合せをする。

という条件で雇ってもらえる事になりました。

 

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後になってわかったのですが、清掃事務所というのは各市区町村の管轄で、ここで働く皆さんは地方公務員です。雇い主は役所という事になります。私は臨時のアルバイトではありますが、役所の臨時職員としてまず1つ目の仕事に就ける事になりました。

 

面接の後、さっそく所内を案内していただき、翌々日から仕事をさせてもらえる事になりました。

 

これは先のブログにも書くつもりですが、正規の地方公務員に就くためには、地方公務員法という法律があり、その中の欠格事由として前科者と破産者が含まれています。しかし非常勤職員と臨時職員に関しては破産者は含まれません。また破産者というレッテルは、免責が許可されれば破産者ではなくなり、あらゆる国家資格が必要な職業や公務員にもなる事ができます。

 

私は家内に電話をし、ひとつ仕事先が決まった事を報告しました。